「猫」登録義務が法制化される西オーストラリア

実家の玄関には、わたしが生まれたころからほとんど毎年「犬」というスティッカーが貼ってあった。
何年か間が開いたのは、犬が死んで母が涙ながらに「もう犬なんて飼わない」と言ったときだけで、その後また新しい家族が顔を見せた。猫もいたし、鶏もインコもウサギもいた。

幼いときには、「なんで犬だけ毎年シールがもらえるんだろう」と不思議に思ったものだ。

そして理由がわかったのは、小学生のときに友達の家に生まれた仔犬をもらったときだった。「これからはあなたが全部やるのよ」と母に言われ、母について保健所に行き、母が登録するのを見た。その登録をすれば、保健所から予防注射についての連絡が来ることがわかった。その犬は散歩が大好きだったが、区役所前のテントの注射実施場所がまだ見えないくらい遠いのに、突如足を踏ん張って「回れ右」をした。

だが、それでもなぜ猫にそうした法がないのかわからなかった。

わたしがごく小さいときには、東京の一角にはまだ野良犬も野良猫もいた。放し飼いの犬猫も多かった。野良たちとの区別はその首輪だけだった。
野良犬ががほとんど消えた現在でも、野良猫たちはいる。そして、まだ「猫」に関する法の話は聞かない。

西オーストラリアでも事情は同じだった。猫の処置はShireと呼ばれる自治体に委ねられており、TNRが認められているところもあれば、去勢/避妊の補助金がもらえるところもある。実に様々だ。そして、わたしの住む地域の自治体は猫に関しては何ひとつしてくれない。
わたしが悲しい思いをした野良母子の話は、ほんの少し前の去年11月のことだ。(その話はこのブログにも書いた。)

what are you waiting for?

そして、今年6月15日、西オーストラリア州議会でひとつの州法案が可決された。猫の所有権と義務に関する法律だ。2013年末までに、6ヶ月以上の全ての飼い猫の登録、マイクロチップの埋め込み、去勢・避妊が義務づけられる。

現在、西オーストラリア州で殺処分されている猫の数は約5000頭。この殺処分数の減少と猫に対する福祉の向上、そして半野良猫と言ってもよい猫たちの地域と環境への影響をも管理するのが目的だ。
州政府は「恵まれない猫たちを、飢餓と死に直面させるのは、地域自治体と州政府が無視すべきことではない」と述べている。
また、ブリーダーに対しても「譲渡する前の、マイクロチップ埋め込みと去勢/避妊」を法律のもとに義務づけることになる。これにより、裏庭ブリーダーと呼ばれるシロウト繁殖を防ごうというわけだ。

「州政府と地域共同体が団結し、一環した規制アプローチをかけることにより、猫たちの福祉向上に解決の糸口を与えたい」というこの法律は、今まであまり日の目を見なかった猫に対する処置と義務に焦点を当てていて、頼もしい。

この法律のもとに、猫飼い主の平均的コストはマイクロチップ(50豪ドル)、登録料(年間10豪ドル)そして去勢/避妊手術費用(約161ドル)で、計229ドル(約2万円)になると見られる。
マイクロチップと手術費用は1度で済むのだから、あとは毎年の登録料だけだから安いものだ。

詳しい事情はこの記事で。(英語)

もちろん、「登録前の仔猫の捨て猫が増えるのではないか」「TNRへの政府の援助はないのか」「繁殖させたいのに絶対ダメってのはどうよ」など、色々と問題は山積みだが、これが布石となって徐々に改善されていくのは間違いないと思う。

こういうちょっとほっとする良いニュースは、遠い日本にも伝えたい。

★追記★

議会で可決された法案の詳しい概要はこちら。(英語)
繁殖を許可される場合や、登録さえ許可されない場合(猫への虐待など)などが詳しく書かれている。




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