裏庭の野良猫母子 その1「出現」

10月7日前後と教えられたエズメちゃんの出産日が早まり、11月2日には「31日のハロウィーンの晩に7匹出産」と連絡が入り、わたしはウキウキしていた。4日にはさっそく写真も送られてきて、ウキウキがワクワクになった。

そして、11月5日金曜日。前夜のワクワク感を楽しみながら、朝いつものように裏庭からガレージに行こうと庭を横切った。猫がいる。しかもものすごく小さい黒白の猫。なんで、わたしんちの庭に仔猫がいるんだ。

クロシロ

近づいてみたら、なんと3匹もいる。黒白のブチ、薄茶の白ソックス、そしてグレーの仔。もっと近づいたら今度は茂みから三毛トラの成猫が飛び出して、角のオリーブの木をのぼり隣家の地所に消えた。それと同時に3匹の仔猫たちもトコトコと塀の角の下から隣家の地所へ。塀と地面の隙間をレンガで埋めてあったのだが、それがルーズになっている。なんということだ。隣側の塀の陰に巣をつくって、仔猫が生まれていたらしい。

茶ソックス

学校に行かなければならない時間だったので、とりあえず亡きゆきちゃんの残っていたカリカリをプラスチックの皿に盛り、外に出しておいた。わたしって馬鹿だ、と思いながら。

学校では猫たちのことが頭から離れなかった。
いつもは放課後も残った仕事を片づけているのが普通だが、今日は違う。取るものも取りあえず車に飛び乗ってぶっ飛ばし、帰宅。もういなくなっているかしら、と半信半疑だったのだが、やはりまだ庭にいる。朝カリカリを出しておいた皿は空っぽだ。ふだんゆきちゃんが1日に食べていた量の3倍ほど盛っておいたのだが、それがきれいに無くなっている。母猫が食べたのか、それとも仔猫も食べたのか。

今度は水の皿とカリカリの皿をもう一度出したら、わたしと目の合った母猫がしゃーしゃー怒っている。今にも飛びかからんばかりだ。きれいに食べたくせに怒るなよ。
そんな警戒心丸出しの母猫とは違い、仔猫たちはまだ歩き回っている。もちろんわたしに近づくわけもないが、歩き加減ではたぶん生後3-4週間はたっているだろう。だから、たぶん今日初めてこちらがわの「広いほう」に出てきたのだ。そうでもなければ、今日の今日まで気づかないわけがない。わたしは毎日裏庭からガレージへと足を運ぶし、そのついでに池の金魚に餌をやる。猫がいれば、嫌でも気づくほどの「猫のヒタイほどの庭」なのだ。

母猫の様子では、とても飼い猫とは思えない。首輪もしていないし、警戒心が尋常ではない。この辺は完全な住宅街で、ほとんどが平屋の個人住宅だ。道沿いの何人かの住人たちとは挨拶ぐらいは交わすが、交流はない。たまに猫を見かけるが、皆首輪をした飼い猫だ。野良猫はほとんど見ない。一体この母猫はどこからやってきたのだろう。張り紙をしてみようかとも思ったが、仔猫たちはすでに歩けるし、このままでは野良猫化するのは時間の問題だろう。そんな流暢なことはやっていられない。

ため息をひとつついて、ゆきちゃんがかかりつけだった獣医に電話をしてみる。「野良猫?うちでは預かれませんよ。捕獲は獣医の仕事ではありません。猫シェルターかRSPCAにでも電話してみてください」とのことで、適当にあしらわれてしまった。猫シェルター組織は、5時を過ぎているのですでに誰もいない。伝言と電話番号だけを留守電に残して電話を切った。
とにかく、明日になったらRSPCA(オーストラリア王立動物愛護協会)にも問い合わせてみることに。

時計を見ると、まだ時間がある。急いでまた車に飛び乗って閉店間際のスーパーへ。
名目は切らした珈琲のミルクを買いに行ったのだが、もちろんそれだけではない。生後1ヶ月から1年まで食べられる仔猫用カリカリと、ついでにペット用生肉2kgを購入。そのままうちに帰ってそっと覗いてみたら、やはり仔猫の柔らかそうな毛がちらちらと茂みの向こう側の暗がりに見える。「何をやっているんだろう、わたしは」と舌打ちしながら、うちに入り自分の夕食の支度をしていたら、裏庭の脇道に出て来て、トコトコと探検に向かう仔猫たちの姿が見えた。かわいい。何とかして助けてあげたい。まだこの世に生まれて数週間、すでに野良猫になる道しか残されていないなんて思いたくない。涙が出そうになった。

野良猫母子の食べ物

しかし、養子にするラグドール仔猫が生まれたとたん、まさか野良猫母子4匹が突然庭に現れるなんて。
どうしよう、どうしよう、と悩むだけで、猫レスキューに関して全く無知なわたしは、実は次に何をしたらいいのか全く見当もついていなかった。

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