裏庭の野良猫母子 その2「仔猫たち」

パースではほとんどの猫が外猫で、昼間は界隈をうろつく。「だって、猫は外に絶対出たがる生き物だから家の中だけでは飼えないでしょう?」というのが理由らしい。わたしは、猫は内猫以外飼ったことがない家で育っているので、それはただの習慣でしょう、と言い返したいが、皆が皆そうなのでとても反論できる余地がない。「日本だからじゃないの?」で片づけられそうな勢いなのだ。

猫の性質である「縄張りを定期的に確認」しに行くわけだから、飼い始めた時点で外出させなければ、そのまま家の中が猫の「縄張り」になる。そんなことも知らずに、ただ「猫だから」という理由での放し飼いは納得が行かない。隣家の庭をトイレ代わりに使って仲が悪くなったという話もよく聞く。無知とは言え、猫のためを思って外出させることが、反対に「猫嫌い」を作りだしているのかもしれない。

そんなわけで、猫の平均寿命はかなり短いだろうと思う。天寿をまっとうした猫の話を聞くほうが珍しいくらいだ。知り合い、同僚、友達の飼い猫のほとんどが、交通事故か喧嘩で命を落とすか、あるいは行方不明となっている。去勢/避妊手術に自治体からの補助金はないから、去勢も避妊もしない犬猫も多い。いくら日本より安いと言っても約1万5千円以上かかる。首輪をつけていても、去勢していない猫は確かにいる。外の発情期特有の鳴き声と喧嘩の物音で、夜中に目を覚まされることがあるからだ。登録制のない放し飼いの飼い猫は、その点、いくら動物愛護協会が様々な情報を発信していても、当の飼い主たちの自覚がないので難しい。

隣家との境

庭の猫たちは、依然として庭の片隅のレンガの陰、つまり隣家の敷地からわたしの家の裏庭にやってくるらしい。
今朝はどっさりと生肉をいれた皿、仔猫用カリカリの皿、そして水の皿も出した。
すると、塀と塀の角、三角形になった場所に雉トラ猫の頭がちらりと横切った。母猫だ。家の中から見ていると、茂みの向こう側の皿を置いてある場所に消えた。15分ほどしてわたしが出て行ってみると、生肉の皿は舐めたようにきれいにカラになっていた。よっぽどお腹がすいていると見える。無理もない。3匹の仔猫たちに母乳をやっているのだ。

急がなければ、と思う。ただ、具体的に「何を急がなければならないのか」があまりよくわからない。この母子をどうすればいいのか。猫レスキューが捕獲、保護してくれるのか。それとも、電話をかけても誰もでない動物愛護協会が保護してくれるのか。周りには誰も助けてくれるひとも、知識のあるひともいない。

夕方洗濯物を取り込むために庭に出ると、ぷんと猫のオシッコの臭いがする。これも昨日から始まった臭いだ。初めてこちらがわに「やって来た」ことの証明かもしれない。

レンガの間から目が

わたしの家の裏庭には、ドアから向かって右を見ると、塀の角にオリーブの木がある。左隣はアイリッシュストロベリーの木。この角の塀と地面の隙間にレンガを置いてあるが、どうやら仔猫はその隙間から入りこむらしい。今日は、もう少し近づいて覗いてみたら、レンガの間から小さな目がじっとこちらを見ている。目の周りが白いから、どうやらこれは黒白のブチの仔猫らしい。警戒心が出始めているのだろう。母猫の行動を真似する時期だから仕方がない。

雉猫とクロシロ

雉猫と茶ソックス

カリカリを食べようとするクロシロ

カメラを取りに戻り、じっと仔猫たちが出て来るのを待つ。そうしたら、2分もしないうちのそろそろとレンガの間から出て来た。こちらをチラチラ見るが、全く動かないし4mは確実に離れているので安心しているのかもしれない。あっちに行ったり、こっちに行ったり、仔猫たちの探検は忙しい。

久しぶりに「猫」を見たら、なんだか知らずに涙がこぼれていたらしい。カメラの視界が曇って、自分でもビックリしてしまった。ゆきちゃんが死んでからすでに5ヶ月以上がたつ。
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